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「プーチンのロシア」の謎に迫る

ダニエル・トレイスマン カリフォルニア大学準教授

Russia Renewed?

Daniel Treisman カリフォルニア大学ロサンゼルス校の政治学準教授。著作に、『ロシアにおける地域的な危機と政治的統合』(After the Deluge:Regional Crises and Political Consolidation in Russia)がある。

2002年12月号掲載論文

専門家の多くは、プーチンがロシアを新たな存在へとつくり替えつつあるとみている。だが、表向きは変化していても、一枚皮をめくれば、エリツィンのロシアとプーチンのロシアの間に大きな違いはない。オリガークたちはいまも健在だし、彼が導入した改革の多くは見かけ倒しにすぎない。むしろ、新しい要素とは、着実な経済成長を背景にこれまでになかった楽観ムードが社会に漂い、若くて冷静な大統領を多くの市民が支持していることだろう。エリート、企業経営者、そして民衆の多くも、自分たちの生活は来年になればもっとよくなると考えている。心理的閉塞感が打ち破られたことこそ、今のロシアを説明する重要な要因なのかもしれない。

  • ロシアは本当に生まれ変わったのか
  • 制度化されたオリガーク資本主義
  • 連邦改革の表と裏
  • 法改革と腐敗の悪循環
  • 評価の高い欧米協調路線
  • メディア弾圧は正しかったのか
  • プーチンの何が新しいのか

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