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アメリカのパワーの限界

マイケル・マンデルバーム 外交問題評議会シニア・フェロー

The Inadequacy of American Power

Michael Mandelbaum ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究所教授で、外交問題評議会シニア・フェロー。 外交研究と現実の外交実践を結びつける行動派学者の重鎮。専門はアメリカ外交政策。本論文は、新著『The Ideas That Conquered the World: Peace, Democracy and Free Markets in the Twenty-first Century』(世界を支配した三つの思想)の要約。

2002年11月号掲載論文

他の追随を許さぬパワーを手にしたアメリカは、いまやハイパーパワー(超国家)としての地位を手にしているだけでなく、アメリカ的価値を反映する平和・民主主義・市場経済思想がグローバル・スタンダードとされている。だが、そのアメリカも、平和・民主主義・市場経済思想となじみのよい安全保障、経済上の国際的公共財を一人で維持していく力と政治的意思はないし、そうした思想が根付いていない地域にこれを強引に導入させる力もない。今後の秩序は、「アメリカが国際的公共財の維持のためにこれからも大きな役割を引き続き受け入れるのかどうか」、そして、相手地域の文化がいかに変貌するかによって左右されることになる。

  • 新しいパワーと新しい課題
  • 揺らぎ始めた軍事政策の根拠
  • 国際的公共財を維持できるか
  • 貿易・金融システムを支える意図はあるのか
  • 無力なパワー

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