Tina Hager /wikimedia.org

サウジ王国の苦しみ

エリック・ルーロー 元駐トルコ・フランス大使

Trouble in the Kingdom

Eric Rouleau 作家、批評家で、一九八五~八六年には駐チュニジア・フランス大使、八八~九二年には駐トルコ・フランス大使を務めた。

2002年6月号掲載論文

米メディアからは対米テロをめぐって批判され、国内でも、経済不振、そして社会的緊張と反米主義の高まりに悩まされるサウジアラビア政府はいまや身動きがとれなくなり、王族内の改革派も、保守派が牛耳る政治・宗教システムの囚われ人となっている。近代化と経済発展を促進しようとするアブドラ皇太子の決意は本物だが、その改革の規模とペースは、彼の意図ではなく、むしろ、矛盾に満ちたこの国の政治力学とグローバル化が呼び込む外的圧力の綱引きによって左右されることになろう。

  • 賭けに出たアブドラ皇太子
  • 反米主義の高まり
  • 同床異夢
  • 閉塞感がつくり出す深刻な社会問題
  • 遅きに失した、小手先の対応?

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