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強い大統領を誕生させるには

セバスチャン・マラビー  「ワシントン・ポスト」論説委員

The Bullied Pulpit

Sebastian Mallaby 「ワシントン・ポスト」論説委員。

2000年2月号掲載論文

アメリカ大統領制は今や機能まひに陥る寸前の状態にある。メディアが大統領の演説を敬意を持って報道することもなくなり、ケーブルテレビは「専門家」による政策批判をトークショーとして流し続ける。そして、インターネットを巧みに利用して民意に訴えかける利益団体が、マスコミによるさらなる政府批判のエスカレーションを誘う。現職の大統領が無能なわけでも、アメリカが言われるほど孤立主義的なわけでもない。アメリカ外交が大きな揺れを見せているのは、マスコミや利益団体が大統領包囲網を形成し、敵対意識をますます強める議会や司法部によって、「抑制と均衡」がバランスを失い、大統領が一貫してイニシアチブを発揮できないような環境に置かれているからだ。問題は、今や構造的に弱くならざるを得ないこの国の大統領が、それでも世界に残された唯一の超大国の指導者であることだ。アメリカと世界が指導者を失って漂流し出す前に、強い大統領を登場させるべく、アメリカの政治制度改革を断行する必要がある。

  • 大統領権限の衰退
  • メディアが大統領の権威を失墜させた
  • 議会、司法当局との確執
  • 弱い大統領が率いる唯一の超大国
  • 批判されない政策は存在するか

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