対中強硬策と中国の政治改革の行方
China's Coming Transformation
2001年7月号掲載論文
中国は急速な経済改革を模索しつつも、政治的には現状維持策をとり、その結果、今日の中国は、次第に組織化が進み、複雑さを増している社会への適応力に欠ける硬直的で脆い国家になっている。
だが、二〇〇二~二〇〇三年の政権交代期に要職に就くであろう中国の新指導者たちは政治的自由化を進め、社会と政治、国家と社会の関係の再編を試みるだろう。
当然、ワシントンは対中封じ込め政策などとるべきではない。そうした政策は、中国の政治改革プロセスを「封じ込める」だけである。
- 政治改革は進展する
- 経済的成功のジレンマ
- 変化する中国社会
- 政治改革の必然性
- 第二の韓国それともユーゴスラビア?
<政治改革は進展する>
中国の経済改革がこの二十年間に表へと引きずり出した社会的力学は、いまや中国政治の抜本的変化に向けた流れをつくりだしている。一九八九年の天安門広場での弾圧事件以来、中国の指導層は、急速な経済改革を模索しつつも、政治的には何とか現状を維持しようと試みてきた。その結果、今日の中国は、次第に組織化が進み、複雑さを増し、力強くなってきている社会への適応力に欠ける、硬直的で脆い国家になってしまっている。これ以上、政治的変化に抵抗しようと試みれば、社会・経済的ダイナミズムがもたらす恩恵が無為に費やされ、とかくコストのかかる政府の統制策を永続化させるだけでなく、政治が激しい国内対立にのみ込まれ、最終的にはシステム崩壊という危機にさらされることになろう。・・・
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