なぜサウジは石油の高価格政策をとったか
Saudi Arabia over a Barrel
2000年5月号掲載論文
サウジが石油の高価格政策へと転じたのは、短期的かつ切実に資金を必要としていたからである。巨大な財政赤字ゆえに、七〇年代に築きあげた寛大な福祉国家をまかなっていけなくなる一方で、福祉政策の打ち切りは、王族にとって政治的死を意味する。しかも、石油価格が再び低下していくのは目に見えている。世界最大の産油国であるサウジアラビアによる石油の供給と、この中東の同盟諸国の安定を保つには、国内の民営化や経済改革がなんとしても必要なことをサウジ政府に納得させなればならない。サウジの不安定化が、世界経済、中東秩序にどのような衝撃を与えるかを考えれば、この点でサウジを説得することの大切さは自明であろう。
- イントロダクション
- 石油に依存した福祉国家の矛盾
- 市場シェアと価格のどちらを重視するか
- サウジアラビアの経済改革を
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