バルカン経済にニューディール政策を
A European “New Deal” for the Balkans
2000年1月号掲載論文
南東ヨーロッパに長期的な安定と非民族主義的な政策が根づくかどうかは、この地域の「経済」がどうなるかによる。欧米が、バルカン危機の本質を修正可能な政策上の破綻としてではなく、この地域に特有な民族主義による紛争、民族間の敵意という構図でとらえ続ける限り、現地の改革が前進することはあり得ない。必要なのは、「南東ヨーロッパの欧州化」に向けた欧州連合(EU)の柔軟で明確なコミットメントだ。バルカンの欧州化とは、すでにEU内に根づいている、国境を超えた通貨・貿易・投資のアレンジメントをヨーロッパの南東部へと広げることで実現する。これによって育まれる南東ヨーロッパの内的統合とヨーロッパとの一体化への希望こそが、腐敗に彩られ、投資も呼び込めず、とかく民族主義に振り回されがちなバルカン地域での改革努力を喚起する唯一の処方箋である。
- 問題は経済だ
- 援助効果の限界
- バルカンのヨーロッパ化
- 通貨による鉄のカーテン
- 共通市場を拡大せよ
- 開発援助は直接民間に与えよ
- セルビアの問題
- 現在の硬直的枠組みを崩すには
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