国連安保理を機能させるには
Bewitched, Bothered, and Bewildered ——Repairing the Security Council
1999年11月号掲載論文
今や世界秩序を脅かしているのは、超大国間のライバル関係ではなく、大量破壊兵器の拡散である。拡散防止を目的とするさまざまな条約も存在するが、問題は条約違反が発覚したときに、実質的な条約の管理主体である国連安全保障理事会が効果的に対応できるような環境があるかどうかだ。国際的平和や安全保障のためではなく、国益絡みで拒否権が行使されたり、拒否権を盾にした恫喝策がとられることも珍しくない。こうした安保理の政策決定メカニズムは、毅然たる強制措置をとるには決してふさわしくない。常任理事国に認められた拒否権は本質的に特権であり、特権を維持するには、それを責任ある形で行使しなければならないことを常任理事国は銘記すべきであろう。世界秩序にとっての最大の脅威である大量破壊兵器の拡散を阻止するためにも、拒否権をめぐる新たなルールの導入が急務である。
- 安保理の「迂回、無視、乱用」
- 拒否権行使を再検討せよ
- 大量破壊兵器の管理
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