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中国を過大視するのはやめよ

ジェラルド・シーガル ロンドン国際戦略研究所ディレクター

Does China Matter?

Gerald Segal ロンドンにある国際戦略研究所の研究ディレクターで、米中関係を中心に多数の論考がある。本論文の対中抑制(constrainment)という概念は、彼がかつて"East Asia and the 'Constrainment' of China" International Security, Vol. 20, No. 4, Spring 1996という論文で発表したものである。最近の著作には、バリー・ブザンとの共著Anticipating the Futureがある。

1999年9月号掲載論文

中国は、経済、軍事、政治のあらゆる面で過大評価されている。国際社会であたかも大国であるかのごとく振る舞う中国は、世界中にそれを真実だと信じ込ませてしまう舞台巧者だ。グローバル経済における重要度はブラジルと同程度にすぎず、軍事的にも大国とはいえず、中国の脅威といっても地域的なものにすぎない。また、政治的にも他国を魅了する要素もなく、相互依存に懐疑的な唯我独尊の国として敬遠されている。したがって、欧米諸国は、中国は潜在的な戦略的パートナーとして重視すべきだとか、中国市場で見込まれる利益は他の問題よりも優先されるべきだという幻想を捨てねばならない。今後欧米は、「対中抑制(constrainment)」という新しいアプローチをとるべきであり、望ましくない行動を抑制することを躊躇してはならない。中国を単なる中級国家であると認識することが、問題解決の出発点なのである。

  • かつての帝国、いまや中級国家
  • 中国は経済的に重要なのか
  • 中国は米国の戦略的パートナーか
  • 政治的に孤立する中国
  • 対中抑制という新しいアプローチ

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