紛争不介入の奨め
Give War A Chance
1999年8月号掲載論文
いまやあまりに多くの紛争が出口のない戦いと化している。その理由は、紛争勢力の一方の圧倒的な勝利、あるいは双方の疲弊という、戦争を終結へと向かわせる力学が外からの介入によってシステマチックにブロックされているためである。国連の平和維持活動、NATOなど多国間組織による介入、国連やNGOによる難民救済活動は、逆に紛争勢力の体力と敵愾心を回復させるだけで、争いを永続化させるだけだ。紛争に直接的な利害関係をもたない勢力による「人道的」介入は、「戦争の悪を増幅させる新たな不正行為」にほかならないのだ。政策エリートたちが、悲惨な状況にある人々のことを心配し、平和の到来を早めたいと願っているのなら、救済という感情的衝動を拒絶して、紛争を流れに任せて、平和への力学を復活させる必要がある。排除された者をその都度助けるのは良心の痛みを和らげるかもしれないが、結局、不安定と暴力を永続化させることになるだけだ。
- 平和の前提とは
- 平和維持活動の問題点
- パイロットの安全が第一
- 難民を助けるのは善行なのか
- 平和のための不介入
この論文はSubscribers’ Onlyです。
フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。
なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。
Copyright 1999 by the Council on Foreign Relations, Inc. and Foreign Affairs, Japan