新興市場のための自助ガイド
A Self-Help Guide for Emerging Markets
1999年4月号掲載論文
一九九七年以来、世界各地を襲っている金融危機は、今後も間違いなく起こる。「死と税金から人間が逃れられないように、世界は国際経済危機から逃れられない」のだ。しかも、最後の貸手である国際通貨基金(IMF)のやり方では、うまくいかないことはすでに自明であり、韓国はその具体例である。細かな条件をつけた、小出しの救済パッケージでは、危機克服に必要とされる短期的信頼を回復できない。幸い、経常収支の赤字、短期借り入れの肥大化など、新興市場国で通貨危機を起こす犯人はわかっているし、その連鎖のメカニズムも大筋で判明している。端的に言えば、新興市場諸国にとっての悪夢である取りつけ騒ぎまがいの通貨危機に対する防波堤は、外貨準備など、流動性を増す以外にない。「大規模な外貨準備、外貨融資へのアクセスなど、大量の国際的流動性を持つ国は、通貨投機の対象にはなりにくい」のだ。知恵を絞るべきは、新興市場諸国がいかにして流動性を増すかである。
- IMFでは用をなさない
- 通貨危機のメカニズムを検証する
- バーツ崩落が意味するもの
- 韓国の場合
- なぜ資金が出口へと殺到するのか
- 不合理な圧力
- 自助努力への三つのステップ
- ドルや円による通貨圏
- 自分の力で自分を守るしかない
この論文はSubscribers’ Onlyです。
フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。
なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。
Copyright 1999 by the Council on Foreign Relations, Inc.