アメリカとヨーロッパ : 巨人の衝突
America and Europe: Clash of the Titans?
1999年4月号掲載論文
ユーロの導入によって、ヨーロッパは経済領域でアメリカと対等の立場を手にしつつある。これによって、米欧の大西洋関係も劇的な変化を迎えるだけでなく、基軸通貨一極の時代から主要通貨並立の時代へと移行する。例えば、巨大な貿易赤字を賄うためには,アメリカもまた海外の資本を引き寄せようと、より高い金利を払わなければならなくなることを意味する。それだけに,米欧間の協調と管理という、あるべき路線を一歩踏み違えると、肥大化するアメリカの貿易赤字と保護主義が、手に負えない状況をつくりだす危険性も高い。ユーロとドルの変動枠の設定を目指した交渉を手はじめに、米欧の基盤を固め、これに日本、さらに他のG7諸国を加えた多層的な通貨・貿易秩序の形成を目指すべきである。今や米欧による二極パートナーシップを抜きにしたグローバル経済の安定などあり得ないのだから。
- 遠大な課題への米欧の無関心
- 忍び寄る保護主義の足音
- 基軸通貨から主要通貨の時代へ
- 分裂症的なアメリカ
- 米欧による新貿易・通貨秩序の経済
- 大西洋の世紀
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