新エネルギー資源の誕生
The New Petroleum
1999年3月号掲載論文
いずれは枯渇する石油資源、とくに中東石油への依存は、安全保障、環境、経済のどの側面でみても好ましくない。幸いにも、遺伝子工学の進歩、そして生成技術の発展によって、これまでの穀物エタノールから、遺伝子工学を駆使したバイオマス・エタノールへのシフトが起きつつあり、いずれ石油への依存から離脱するのも夢ではない。「エネルギー熱量は若干低いとはいえ、オクタン価でみれば、バイオマス・エタノールはガソリンをはるかに上回り、より高い燃焼効率をも持つ。さらに、温室効果ガスの排出を大きく削減でき、空気の質も改善できる」
この「科学的ブレークスルー」を放置して、しだいに先細りとなりつつある中東の石油資源への依存を続けるのは、経済,環境,国際安全保障のいずれの面でも賢明ではない。環境に優しく、価格的にも問題のない、バイオマス・エタノール実用化の時代がすぐそこまで来ており,その実用化へ向けて全力を注ぎ込むべきである。
- バイオマスの可能性
- 石油依存は「ならず者国家」を増長させる
- 石油資源は長く持たない
- まったく新しい世界
- 「燃料生産農家」
- 地球温暖化とエネルギー
- バイオマス・エタノールは実用化できるか
- バイオマス・エタノールの時代へ
- バイオマス・エタノールとガソリン
- 新エネルギー資源と未来
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