経済制裁は外交に不可欠だ
――外交と経済ロビイスト
What Sanctions Epidemic? U.S. Business' Curious Crusade
1999年3月号掲載論文
ワシントンの企業ロビイストは、アメリカ議会は「制裁依存症」にかかっており、「制裁という選択肢を前にすると欲望を押さえきれない」とまで言う。「世界の人口の四〇%強が何らかの形でアメリカの経済制裁の対象にされている」とする彼らの言い分が、いまや一人歩きをはじめている。だが、これは完全な間違いである。こうしたロビイストの意図は、アメリカの道徳性や国益を無視してでも、企業利益の最大化をはかることにある。だが、彼らは現実を知らない。アメリカ市民、そして、企業の大半も、経済利益よりも、大量破壊兵器、人権弾圧、テロリズムという脅威への対応の方が大切だと考えているのだ。「抑圧体制の独裁者に拷問の道具を買う金を与えてまで、新たな雇用など生み出す必要はない」。無責任にも外交政策に介入しようとするロビイストは「恥を知るべき」だろう。
- 米議会は制裁措置中毒か
- 事実をみよ
- 「重商主義」からの外交批判
- 制裁は外交政策に不可欠である
- ホワイトハウスとロビイストのつながり
- 現在の制裁システムを維持せよ
- 「主導権を独裁者へ売り渡す」
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