フクヤマの愚かな議論
Fukuyama's Follies: So What if Women Ruled the World?
1999年3月号掲載論文
「遺伝的に攻撃的な性質を持つ男性に代わって、より穏やかで争いを好まない性質を持つ女性が政治に参加し、その比重が増していけば、国際関係はより平和になる」。フランシス・フクヤマは、論文「もし女性が世界政治を支配すれば」でこう主張した。フクヤマは、男性(オス)の攻撃性は遺伝子に組み込まれているとし、その例として、オランダやタンザニアで見られたオスチンパンジー同士の残虐な闘いや、数万年前からあったとみられる男性による大量虐殺を挙げる。しかも、環境や文化をつうじて、遺伝子に刻まれた男性の攻撃的な性格を克服する試みには限界があると主張した。人類学、そして広く社会科学全般が、性、民族、人種の普遍性を基盤に、思想や理論を組み立ててきただけに、フクヤマの指摘は大きな波紋をよんだ。以下は、文化や環境から人間が受ける影響、フェミニズム、そして人類学の立場からのフクヤマ論文に対する重厚な反論。
- 遺伝子に殺害のメカニズムはない
- 男子成人の儀式は「文化」である
- 女戦士の時代
- 脈絡のないフクヤマの結論
- フクヤマの議論は前提から間違っている
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