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アジアの将来を左右する「日本の歴史認識」

ニコラス・D・クリストフ  ニューヨーク・タイムズ東京支局長

The Problem of Memory

Nicholas D. Kristof ニューヨーク・タイムズの東京支局長。八九年の天安門事件報道でピュリツァー賞を受賞。『新中国人』の共著者。

2000年1月号掲載論文

アジアの歴史的分断線は深く、とくに中国や韓国の人々の反日感情は強い。たしかに、アジア諸国が現在の日本ではなく、かつての日本を基準に判断を下している部分はあるが、かたくなに謝罪を拒む日本の姿勢にも大きな問題がある。アジア経済危機を経て、この地域がまさに日本のリーダーシップを必要としているときに、この分断線が感情面にとどまらず、政治、安全保障領域へと飛び火する恐れさえある。悪循環を断ち切るために、日本がより誠実に謝罪を表明すれば、それだけで、アジアにおける十万の米兵力のプレゼンス以上の地域安全保障への貢献となるはずだ。ここにアメリカの果たすべき役割がある。アジアは、海兵隊よりも、むしろ(アジア諸国間の和解に向けた)アメリカによる忍耐強く誠実なカウンセリングを必要としているのだ。アジアの安定に不可欠な地域的信頼関係は、日本が過去と正面から向き合うようになり、韓国と中国が未来志向になって初めて実現する。

  • 日本人ビジネスマンを殺したい
  • 日本はなぜ謝らないのか
  • 不信と憎しみの悪循環を克服するために
  • アメリカが果たすべき役割
  • 変化の兆し
  • 空母よりも対話の働きかけを

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