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山積する温暖化防止の課題

ヘンリー・D・ジャコビー マサチューセッツ工科大学(MIT)教授  ロナルド・G・プリン  MIT教授 リチャード・シュマレンシー MIT教授

Kyoto's Unfinished Business

Ronald G. Prinn MIT教授で専門は大気化学。同プロジェクトの共同議長とグローバル・チェンジ・サイエンスセンターの所長を兼務。 Richard Schmalensee MIT教授で、専門は経済学・マネジメント。同大学付属のエネルギー・環境政策研究所の所長。

1998年9月号掲載論文

京都合意は失敗でも成功でもなく、「気候変動枠組み条約第一回締約国会議で提示された問題に、政治的な応急処置を施したにすぎない」。京都以後の道のりを成功へと導くには、政策決定者たちは長期的考えにより多くの時間を費やすべきで、とくに途上諸国の参加、温室効果ガスの排出削減を可能にし、なおかつ経済成長にも貢献できるような新技術の研究・開発の強化、排出権取引をめぐる柔軟な措置の導入が不可欠である。実際、今後これらの課題を満たせないのであれば、「京都合意をすべて解体し、意見が変わった時に新たに交渉を始めるほうが、まだましだろう」。気候変動という問題については、世界はまだ取り組み始めたばかりで、京都以後の道のりには、さまざまな具体的課題とともに、排出権取引を管理する長期的に持続可能な国際システムの構築の準備という難題が待ち受けている。

  • 京都合意は成功か失敗か
  • 地球温暖化の基礎知識
  • 何をどこまで理解しているか
  • いま何をなすべきか
  • 京都会議の両面性
  • 山積する課題

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