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アジア経済危機は中国にも波及するか

ニコラス・R・ラーディ ブルッキングス研究所上席研究員

China and the Asian Contagion

Nicholas R. Lardy エール大学の助教授を経て、現在はブルッキングス研究所の外交政策担当上席研究員。専門は中国、香港、台湾経済。著書にChina's unfinished Economic Revolution(中国-未完の経済改革)がある。

1998年8月号掲載論文

「不正行為、腐敗、(金融への)政治的影響力の強さ」というアジアの諸問題の背景をなす銀行支配型金融システム、中央銀行の独立性と商業銀行規制の弱さという側面は中国にも認められ、膨らむ一方の不良債権というアジア経済の共通問題も、赤字だらけの国有企業を抱える中国にとって同様に深刻である。ではなぜ、アジア危機の悪影響を今のところ中国はほとんど受けていないのか。それは、東南アジア諸国とは対照的に、「資本勘定の交換性」が存在せず、中国が外貨建ての取引を厳格に規制しているため、海外、国内の投資家の行動がひどく制約されているからにすぎない。国有企業、銀行の改革を終えたわけでも、市場化、商業化を果たしたわけでもない以上、経済改革そして中国経済の行方は、いまだ予断を許さない。

  • 中国経済は本当に大丈夫か
  • 中国経済の制度的なもろさ
  • 肥大化する不良債権
  • なぜ持ちこたえられるのか
  • 非効率という麻薬
  • 中国の改革プログラム
  • 改革路線を守れ

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