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ロシアはいまだに敵なのか

リチャード・パイプス  ハーバード大学名誉教授

Is Russia Still an Enemy?

Richard Pipes ハーバード大学の名誉教授で、専門はロシア史、米ソ関係。一九八一年から一九八二年にかけて、国家安全保障会議の東ヨーロッパ・ソビエト担当の議長を務めた。米ソ関係を論じた著作は数多く、最近の著作に A Concise History of the Russian Revolution と The Unknown Lenin がある。

1998年1月号掲載論文

なんじの友人をいつの日にかなんじの敵になる者として、またなんじの敵をいつの日にかなんじの友人となる者の如く扱え。
デキムス・ラベリウス 紀元前一世紀

ロシアはいまだにわれわれの敵だろうか。目下のところそうではないし、そうであるべきでもない。だがモスクワの指導者たち、それも権力と影響力ばかりを気にかける古いタイプの指導者が、国民の政治的経験のなさと偏見を利用して、それ自体は何の意味もない広大な領土や、自分たちでは開発できない莫大な鉱物資源、そして使うこともできない巨大な核の兵器庫といったもの以外には、およそ手に入れることのできない幻の栄光を再び求めるとすれば、ロシアが敵となる可能性は十分にある。ロシアの指導者たちが再び孤立とスタンドプレーによって直面している困難から逃れようとするなら、ロシアはまたわれわれの敵となりうる。

  • ロシアの現実
  • ソビエトの仕組みと国際関係
  • ロシア人の思考様式
  • 帝国よ再び
  • 将軍たちの夢
  • 大いなる選択

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