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だれが日本の方向性を決めているのか?

ニコラス・クリストフ 『ニューヨーク・タイムズ』紙東京支局長

Japan's Full Story : Inside and Outside of the Cabinet

Nicholas D. Kristof 『ニューヨーク・タイムズ』紙の北京支局長を経て、現在は同紙の東京支局長。著書にシェリル・ウーダンとの共著『中国の覚醒』(China Wakes)がある。

1998年1月号掲載論文

 「他の諸国のいかなるリーダーと比べても、日本の指導たちが自分から行動を起こすことはまれで、彼らはむしろ状況への対応に終始する」。一般にこの国の首相は、「官僚、ビジネス界の指導者、メディア、そして、国民のコンセンサス志向によって牽制されている」。国家的な課題が、往々にして世論に影響を与えるような予期せぬ事件によって形づくられるために、政治家の選択肢もおのずと制約されてしまうのだ。事実、戦後日本を形づくった主要な力学は、政治や政治指導者の手腕によるのではなく、「経済ブーム、都市化、人口構成の変化、女性の地位の変化など」がつくりだしたものだった。冷戦時代のソビエトならともかく、この国を「政治学」で分析しても、力学の片方を理解したことを意味するにすぎない。

  • 「冷戦は終わり、そして日本は……」
  • 共産化への懸念
  • 指導者の限られた役割
  • 「ノモ」とニチベイ関係

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