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ユーラシアの地政学と日米中を考える

ズビグニュー・ブレジンスキー 戦略問題国際研究所(CSIS)顧問

A Geostrategy for Eurasia

Zbigniew Brzezinski 一九七七年から一九八一年にかけて、カーター政権の国家安全保障担当大統領補佐官を務め、現在は、戦略問題国際研究所の顧問、ジョンズ・ホプキンス大学のポール・ニッツェ・スクールの教授を兼務。この論文は、『ブレジンスキーの世界はこう動く―21世紀の地政戦略ゲーム"The Grand Chessboard: American Primacy And Its Geostrategic Imperatives"』からの抜粋。

1997年11月号掲載論文

世界の人口の75パーセント、GNPの60パーセント、エネルギー資源の75パーセントが存在するユーラシア大陸は21世紀の安定の鍵を握る「スーパー・コンチネント」だ。ユーラシアにおけるアメリカの差し迫った課題は、「いかなる単独の国家、あるいは国家連合も、アメリカを放逐したり、その役割を周辺化させたりするような力をもてないようにすることだ。この点でとりわけ重要なのが、NATO、そして、アメリカと中国の関係であり、これを軸に、ロシア、中央アジア、日本との安定的共存を図っていかなければならない。NATO拡大とロシアの関係同様に、アメリカ、日本、中国の戦略関係にも細心の配慮が必要になる。肝に銘じておくべきは「再軍備路線への傾斜であれ、単独での対中共存路線であれ、日本が方向性を誤った場合には、安定した米日中の3国間アレンジメント形成の可能性はついえ去り、アジア・太平洋地域でのアメリカの役割は終わる」ということだ。

  • ユーラシアの現実
  • ユーラシアの課題
  • ロシアの課題
  • ユーラシアの南部安定の要
  • 中国の役割
  • 日本がグローバル・パワーになるには
  • 全ユーラシア的安全保障システム

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©1997 by the Council on Foreign Relations

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