年金は義務的個人積立制度で
The Case for Privatization
1997年9月号掲載論文
単年度賦課方式の公的年金制度を維持すれば、二〇三〇年には、経済成長も雇用創出も期待できないほどに税率を引き上げなければならない。一方、公的年金システムから義務的な個人年金積立方式へと制度を移行させれば、はるかに軽い税負担で、公的年金と同じレベルの給付を確保できるし、年金積立貯蓄の増大による投資ストックの増加は経済の活性化を生み、「国民所得、実質賃金、全体的な生活レベルの上昇も十分期待できる」。制度移行に批判的な人々の指摘、つまり、制度移行期の第一世代が、二重負担を強いられるという批判は、冷静に計算をすれば、ひどく誇張され、間違ったものである。義務的個人積立制度への移行は、「社会保障制度の将来のコストを劇的に削減するだけでなく、低所得と中間所得層の人たちの生活水準を劇的に向上させる可能性を秘めており、これ以外に社会のほとんどの人々の生活水準を永続的に大きく高める政策は考えられない」。
- もはや限界にきた公的年金制度
- 社会保障税の真の問題
- 個人積立方式で何が可能になるか
- 経済成長と年金の民営化
- 新制度への移行コスト
- 政府管理の弊害
- 弱者を守るには
- 市場リスクを回避するには
- 政治的機会
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