ソマリアの悲劇と「人道的介入」
Somalia and the Future of Humanitarian Intervention
1996年6月号掲載論文
ソマリアへの介入が失敗に終わったのは、ブッシュ政権が設定した人道支援という限定的目的が、のちに国連によって国家拡大の領域にまで広げられたためだと一般的に考えられている。しかし、これは真実ではない。たとえ人道的介入であっても、「破綻した国家」へ介入する場合には、介入したその瞬間から、われわれはその国家の再建(国家建設)にかかわざるをえないくなる。ソマリアの場合も例外ではなかった。実際、「軍事ならびに民生的目標のあいだには切っても切れぬ相互補完性が存在する」。国際社会は、市民社会が暴力に広く苛まれている国家に対して、その国内政治に影響を与えることも、国家建設的に関与することもなく、人道的に介入できるという幻想をまず捨て去るべきだろう。
- ソマリアの一線
- なぜ失敗したのか
- 任務と能力の矛盾
- 武装勢力との協力
- 国連の役割
- 今後の介入のあり方
- 結論
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