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危うしアジアのエネルギー資源
Asia's Empty Tank
1996年5月号掲載論文
アジアのエネルギー問題は、この地域での領有権論争、核拡散問題、軍拡路線に深く関連しており、これを純粋な経済問題とみなすのは間違いだ。なかでも中国のエネルギー需要の増大は、環境悪化だけでなく、海底資源をめぐる近隣諸国との対立、外洋型海軍力の増強路線、イランやイラクという中東とのコネクションの深まりなど、環境・政治・外交面での憂鬱な結末を招きかねない。エネルギー問題を、アジア・太平洋地域の不信と不確実性を先鋭化させる引き金とするのではなく、この問題への積極的な関与策、支援を通じて、日本、米国、そして大いなる暴発の危険性を秘めた大陸アジアとの協調の礎とすることが急務である。
- 紛争の火種としてのエネルギー不足
- 中国のエネルギー需要の拡大
- 中東石油への依存の意味あい
- 資源不足と軍拡競争
- 原発のバランスシート
- 対立から協調へ
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