領土「併合」とプーチンの賭け
2022年11月号
主要国がロシアによる「併合」を認めないとしても、モスクワが、これらの地域をロシアの領土と位置づければ、「領土」を守るための試みを強化することが正当化される。部分的な動員、将来におけるより全面的な動員、そして潜在的な核兵器の使用もこの文脈に位置づけることができる。もっとも、モスクワが総動員を回避したのは、ロシアの若者がウクライナにおけるプーチンの目標のために実際に戦い、死ぬ準備ができているかどうかを疑っていたからだという見方が広がっている。だが、最近におけるロシア軍の撤退とウクライナ戦争での進展のなさから、強硬派の批判を緩和するために部分的であっても動員を実施せざるを得なかった。紛争が続くにつれて、モスクワはこの二つの課題間で今後もバランスをとることを強いられるだろう。実際、プーチンが直面しているもっとも深刻な抵抗は、より攻撃的な行動を求める強硬派かもしれない。・・・