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2026.7.31 Fri
拡大抑止の崩壊と米同盟諸国
―― 同盟の流動化と核拡散潮流
冷戦期とは違って、いまや戦争は主に地域的なもので、アメリカは対外関与を控えつつある。このような世界で、アメリカが遠く離れた同盟国のために核戦争を遂行すると信じるのは難しい。(リンド、プレス)
最近の展開からも、ウクライナやその他の国々への防衛支援をめぐるアメリカのコミットメントが完全には信用できないことは明らかだろう。ワシントンが安全保障コミットメントを果たすとは信用しなかったフランスのドゴール大統領は正しかった。拡大抑止(核の傘)はまやかしであり、それを信じた人々はお人好しのカモだった。(ローズ)
いまや平壌を抑止するには、北京とモスクワも抑止しなければならない。・・・ソウルが戦争のリスクを懸念しながらも、ワシントンの防衛コミットメントを疑い、懐疑的だとすれば、ワシントンの軌道から離れるような抜本的な措置をとらざるを得ないと判断するかもしれない。(マストロ)
拡大抑止の崩壊と米同盟諸国
―― 韓国とNATOの選択
2026年8月号 ジェニファー・リンド ダートマスカレッジ 准教授 ダリル・G・プレス ダートマスカレッジ 教授
冷戦期とは違って、いまや戦争は主に地域的なもので、アメリカは対外関与を控えつつある。このような世界で、アメリカが遠く離れた同盟国のために核戦争を遂行すると信じるのは難しい。自国の安全のためにアメリカが自己破滅のリスクを冒すとは確信できずにいる同盟国は数多くある。実際、韓国は、自国の安全保障に責任を負わなければならないと最終的に判断するかもしれない。ヨーロッパ諸国も、東欧における核抑止力を強化するために何らかの措置を講じる必要があるとの結論に達するかもしれない。今後、核開発や核共有が検討されることになるだろう。ワシントンにとっての最善の選択肢は、同盟国が独自の抑止アプローチを形作れるように支援し、新しい抑止体制への移行期における戦争リスクを低下させることだろう。
同盟の流動化と核拡散潮流
―― 次の核時代に備えよ
2025年4月号 ギデオン・ローズ ベルリン・アメリカ・アカデミー フェロー
最近の展開からも、ウクライナやその他の国々への防衛支援をめぐるアメリカのコミットメントが完全には信用できないことは明らかだろう。ワシントンが安全保障コミットメントを果たすとは信用しなかったフランスのドゴール大統領は正しかった。拡大抑止(核の傘)はまやかしであり、それを信じた人々はお人好しのカモだった。なぜフランスに倣って、核戦力を獲得して、国の安全を確保しないのかと多くの国がいまや考えているはずだ。このまま秩序が解体し続ければ、韓国は、おそらく、この拡散潮流に乗って最初に核を保有する国になるだろう。ソウルが核武装すれば、東京もそれに続き、最終的にはオーストラリアもこれに加わるかもしれない。ヨーロッパでも同じ流れが生じつつある。
朝鮮半島有事に備えよ
―― 北朝鮮の強大化と国際化した対立構図
2026年7月号 オリアナ・スカイラー・マストロ スタンフォード大学 フリーマン・スポグリ国際研究所 センターフェロー
平壌が韓国を侵略すれば、その紛争は、北朝鮮と「アメリカが支援する韓国」との戦いにとどまらず、ロシアや中国も巻き込んでいく。ワシントンは、朝鮮半島の平和維持という任務が抜本的に変化していることを見落としている。いまや平壌を抑止するには、北京とモスクワも抑止しなければならない。この危険な局面でワシントンが後退すれば、戦争のリスクはさらに高まり、アメリカは北朝鮮、中国、ロシアという相手のすべてが核保有国との紛争に巻き込まれかねない。一方で、ソウルが戦争のリスクを懸念しながらも、ワシントンの防衛コミットメントを疑い、懐疑的だとすれば、ワシントンの軌道から離れるような抜本的な措置をとらざるを得ないと判断するかもしれない。


