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2024.11.5 Tue
<11月号プレビュー->
米新政権が直面する世界
―― 中露・イラン・北朝鮮の目的は何か
アメリカのグローバルな関与が、過去80年間とまったく同じように進むとは考えられないが、それでもアメリカの国際主義外交が求められている。そうできるかで、未来が民主的で自由市場国家間の同盟によって規定されるのか。それとも、リビジョニストパワーによって規定される権威主義的政治の時代に逆戻りするのかが左右されるだろう。(ライス)
アメリカはリビジョニスト諸国の思い込みを粉砕するための決意を維持しなければならない。そして、リビジョニストパワーが相互の立場の違いを克服するために、今以上に協力する事態に備える必要がある。(ブリンケン)
ウクライナ戦争をきっかけに、中国・ロシア・イラン・北朝鮮は、経済、軍事、政治、技術的な結びつきを強め、共有する利益を特定し、軍事・外交活動を連携させつつある。すでに、地政学状況は変化している。(ケンドール=テイラー、フォンテーヌ)
新国際主義外交の薦め
―― アメリカと世界
2024年11月号 コンドリーザ・ライス 元米国務長官
かつて同様に、リビジョニスト(現状変革)国家は力によって領土を獲得し、国際秩序は崩壊しつつある。さらに憂慮すべきは、かつて同様にアメリカが内向きになり、孤立主義の誘惑に駆られていることだ。ポピュリズム、移民排斥主義、孤立主義、保護主義に席巻されるアメリカの国際社会での立ち位置はどこにあるのか。アメリカのグローバルな関与が、過去80年間とまったく同じように進むとは考えられないが、それでもアメリカの国際主義外交が求められている。そうできるかで、未来が民主的で自由市場国家間の同盟によって規定されるのか。それとも、リビジョニストパワーによって規定される権威主義的政治の時代に逆戻りするのかが左右されるだろう。
流動化する世界と米再生戦略
―― アメリカとリビジョニストパワー
2024年11月号 アントニー・ブリンケン 米国務長官
バイデン政権はアメリカの競争力強化を目的とする歴史的な国内投資と各国との協調関係の再生に向けた力強い外交キャンペーンを組み合わせて展開した。この二つの支柱から成る戦略が、「アメリカは衰退し、自信を失っている」とみなす(中露などの)リビジョニストパワーの思い込みを粉砕する最善の方法だと、バイデン政権は信じていた。米衰退論の思い込みに囚われている限り、リビジョニストパワーは、アメリカやほとんどの国が求める「自由で開放的な世界、安全で繁栄する世界」にダメージを与え続けようとするからだ。アメリカはリビジョニスト諸国の思い込みを粉砕するための決意を維持しなければならない。そして、リビジョニストパワーが相互の立場の違いを克服するために、今以上に協力する事態に備える必要がある。
*邦訳分はFAJによる翻訳で、米政府の公式テキストではありません。
強大化する反欧米枢軸
―― 中露・イラン・北朝鮮の目的は何か
2024年6月号 アンドレア・ケンドール=テイラー 新アメリカ安全保障センター シニアフェロー リチャード・フォンテーヌ 新アメリカ安全保障センター 会長
ウクライナ戦争をきっかけに、中国・ロシア・イラン・北朝鮮は、経済、軍事、政治、技術的な結びつきを強め、共有する利益を特定し、軍事・外交活動を連携させつつある。すでに、地政学状況は変化している。実際、中国の台湾侵攻を前にアメリカが軍事介入を決断すれば、ロシアはヨーロッパの別の国に対して軍事行動を起こし、イランや北朝鮮はそれぞれの地域で脅威をエスカレートさせるかもしれない。たとえ新枢軸が直接的に侵略を連動させなくても、同時多発的な衝突が欧米を圧倒する恐れがある。さらなる連携がもたらす破壊的影響を管理し、中露・北朝鮮・イランの枢軸がグローバル・システムを動揺させないようにすることを、米外交の中核目的に据える必要がある。