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2026.6.26 Fri
朝鮮半島危機に備えよ
―― 変化したメカニズムとバランス
平壌が韓国を侵略すれば、その紛争は、北朝鮮と「アメリカが支援する韓国」との戦いにとどまらず、ロシアや中国も巻き込んでいく。ワシントンは、朝鮮半島の平和維持という任務が抜本的に変化していることを見落としている。いまや平壌を抑止するには、北京とモスクワも抑止しなければならない。(マストロ)
驚くべき運命の逆転によって、現在の北朝鮮はいかに想像力たくましい専門家も予想できなかった形で台頭し、世界ののけ者から世界的なパワープレーヤーへと変貌を遂げている。新たなネットワークと能力を保有し、核保有国であり続けることへの黙認も存在する。・・・(パク)
北朝鮮の核の兵器庫が拡大し、トランプ政権下のアメリカが後ろ盾としての信頼を失うにつれて、韓国の市民やエリートの核武装オプションへの支持は高まる一方だ。問題は、ワシントンが韓国の核武装路線に否定的なことだ。・・・(ケリー)
朝鮮半島有事に備えよ
―― 北朝鮮の強大化と国際化した対立構図
2026年7月号 オリアナ・スカイラー・マストロ スタンフォード大学 フリーマン・スポグリ国際研究所 センターフェロー
平壌が韓国を侵略すれば、その紛争は、北朝鮮と「アメリカが支援する韓国」との戦いにとどまらず、ロシアや中国も巻き込んでいく。ワシントンは、朝鮮半島の平和維持という任務が抜本的に変化していることを見落としている。いまや平壌を抑止するには、北京とモスクワも抑止しなければならない。この危険な局面でワシントンが後退すれば、戦争のリスクはさらに高まり、アメリカは北朝鮮、中国、ロシアという相手のすべてが核保有国との紛争に巻き込まれかねない。一方で、ソウルが戦争のリスクを懸念しながらも、ワシントンの防衛コミットメントを疑い、懐疑的だとすれば、ワシントンの軌道から離れるような抜本的な措置をとらざるを得ないと判断するかもしれない。
北朝鮮の驚くべき台頭
―― 金正恩の勝利
2026年6月号 チュン・H・パク 元北朝鮮問題担当米特別代表
驚くべき運命の逆転によって、現在の北朝鮮はいかに想像力たくましい専門家も予想できなかった形で台頭し、世界ののけ者から世界的なパワープレーヤーへと変貌を遂げている。新たなネットワークと能力を保有し、核保有国であり続けることへの黙認も存在する。北朝鮮の兵士がウクライナ戦争でロシア兵と共に戦い、いまや北朝鮮は反欧米陣営の一員として歓迎されている。新たな立場と能力を得て、近隣諸国を脅し、威圧する危険は高まっている。実際、金正恩は米韓同盟を試し、北京とモスクワがそれにどう反応するか見極めようと、具体的な行動をみせるかもしれない。
韓国の核武装を認めよ
―― 北朝鮮の脅威とアメリカの干渉
2025年2月号 ロバート・E・ケリー 釜山大学政治学部 教授 キム・ミンヒョン 慶熙大学政治学部 教授
大陸間弾道ミサイルを開発した平壌は、いまや核兵器でアメリカの都市を攻撃する能力をもっている。このために、アメリカが(自国が反撃されるリスクを冒しても)韓国への安全保障コミットメントを果たすかどうかがいまや問われている。しかも、米韓同盟を批判してきたドナルド・トランプが大統領としての2期目を迎える。北朝鮮の核の兵器庫が拡大し、トランプ政権下のアメリカが後ろ盾としての信頼を失うにつれて、韓国の市民やエリートの核武装オプションへの支持は高まる一方だ。問題は、ワシントンが韓国の核武装路線に否定的なことだ。同盟国が危険にさらされたままの状態にあることを求めるのではなく、ワシントンは、ソウルが安全保障への道を自ら見つけることへの障害を取り払うべきだろう。


