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2026.4.24 Fri
<5月号プレビュー>
イラン・ショックとエネルギー安全保障
―― 国際市場とエネルギー自給の間
ホルムズ海峡危機を前に、多くの国が、統合されたエネルギー市場を脆弱性のルーツとみなし、エネルギー自給を模索するようになるだろう。協調的な世界秩序がほころぶにつれて、相互依存よりも、地政学が優先され、エネルギー不安が高まっているからだ。(ボルドフ、オサリバン)
ワシントンは、ロシアやイランの石油を購入する国々に厳しい制裁措置を検討し、北京は、半導体、軍事アプリ、電池、再生可能エネルギーに不可欠な重要鉱物やレアアースの輸出を定期的に制限している。いまや、世界市場そのものが分断され、エネルギーが新たに兵器化されている。(ボルドフ、オサリバン)
いかなる手段を用いても、湾岸地域から十分な量の石油を運び出すことはできない。パイプライン、備蓄放出、浮体式貯蔵施設からの放出を考慮に入れても、おそらく1日あたり1000万バレル以上の供給不足が生じると考えられる。(フロマン)
イランショックとエネルギー安全保障
―― 国際市場とエネルギー自給の間
2026年5月号 ジェイソン・ボルドフ コロンビア大学気候変動研究大学院 共同学院長 ミーガン・L・オサリバン ハーバード大学 ケネディスクール教授(国際関係論)
ホルムズ海峡危機を前に、多くの国が、統合されたエネルギー市場を脆弱性のルーツとみなし、エネルギー自給を模索するようになるだろう。協調的な世界秩序がほころぶにつれて、相互依存よりも、地政学が優先され、エネルギー不安が高まっているからだ。長期的には、各国が国内のエネルギー市場を保護しようとする試みが、世界のエネルギーシステムを再編していくのかもしれない。だが、エネルギー自給を高めるために、国境の内側に後退することでエネルギー安全保障を強化できると考えるのは幻想に過ぎない。むしろ、破綻することなく、ショックを吸収できるだけの強靭なシステムを構築することを目標にしなければならない。
兵器化されたエネルギー資源
―― 復活した戦略ツールの脅威
2026年1月号 ジェイソン・ボルドフ コロンビア大学国際公共政策大学院 コロンビア・クライメートスクール学院長 ミーガン・L・オサリバン ハーバード大学ケネディスクール 教授(国際関係)
ワシントンは、ロシアやイランの石油を購入する国々に厳しい制裁措置を検討し、北京は、半導体、軍事アプリ、電池、再生可能エネルギーに不可欠な重要鉱物やレアアースの輸出を定期的に制限している。いまや、世界市場そのものが分断され、エネルギーが新たに兵器化されている。各国は、エネルギーの兵器化が間違いなく引き起こす変動から市民と企業を守る方法を見いだす必要がある。リスクを減らすには、生産量を増やすだけでなく、消費量を減らし、クリーンエネルギー投資を増やさなければならない。実際、気候変動の脅威そのものよりも、エネルギー安全保障強化の必要性が、クリーンエネルギーの導入と化石燃料の使用削減の強力なインセンティブを作り出すことになるかもしれない。
未曾有のエネルギー危機
―― イランとホルムズ海峡
2026年4月号 マイケル・フロマン 米外交問題評議会 会長 ダン・ポネマン 元エネルギー省副長官 ジェイソン・ボルドフ コロンビア大学 グローバル・エネルギー政策センター所長
(ホルムズ海峡を経由しない)サウジアラビアのパイプラインの価値は(積み出し港である)ヤンブー輸出ターミナルのキャパシティによって制約される。このターミナルは最大で1日あたり約450万バレルを輸出できるように設計されているが、実際にはそれよりはるかに低い能力しかない。さらに、その輸出ターミナルやそこで積み込み可能なタンカーは、フーシ派の攻撃にさらされる危険がある。(ダン・ポネマン)
現状は、中国の長期的なエネルギー安全保障戦略の正しさを裏付けている。中国は、経済の電力化を促進することで石油輸入を抑制し、石炭や再生可能エネルギーなどの国内資源からより多くの電力を生産すること、そして約14億バレルに達する巨大な戦略石油備蓄を強化することに重点を置いてきた。(ジェイソン・ボルドフ)
いかなる手段を用いても、湾岸地域から十分な量の石油を運び出すことはできない。パイプライン、備蓄放出、浮体式貯蔵施設からの放出を考慮に入れても、おそらく1日あたり1000万バレル以上の供給不足が生じると考えられる。(マイケル・フロマン)


