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2026.5.12 Tue
核の脅威下でいかに戦うか
―― ウクライナの教訓
「核使用のリスクを無視できない国際環境のなかで、高度に破壊的な通常戦争を長期的に戦い、戦闘のなかで、エスカレーションの引き金となるレッドラインを常に探り、しかも、同盟国やパートナーとのリスク許容レベルやエスカレーション管理を調整しなければならない」。これがウクライナ戦争の教訓に他ならない。(リスナー、ウォーデン)
米軍が介入した場合、プーチンを核使用に走らせることなく、ウクライナを救えるのか。ロシアがウクライナ軍にひどく追い込まれた場合には、モスクワが核を使用する恐れはないか。エスカレーションの先にあるものは、第二次世界大戦を超える犠牲と破壊という、まさに壊滅的な事態かもしれない。(ミアシャイマー)
ロシアもウクライナも、ハードウエア、ソフトウエアそして戦術をよどみなく改良し続けているために、この戦争は息を呑むようなスピードで進化している。膨大な数の監視用ドローンを飛ばすことで、ほぼすべての部隊の動きが可視化され、前線付近で動くものは、それがなんであれ、数分以内に攻撃される。(シュミット、グラント)
核使用リスクと現代の戦争
―― ウクライナ戦争の教訓
2026年4月号 レベッカ・リスナー 米外交問題評議会 シニアフェロー ジョン・K・ウォーデン マサチューセッツ工科大学 国際問題研究所 シニアアナリスト
「核使用のリスクを無視できない国際環境のなかで、高度に破壊的な通常戦争を長期的に戦い、戦闘のなかで、エスカレーションの引き金となるレッドラインを常に探り、しかも、同盟国やパートナーとのリスク許容レベルやエスカレーション管理を調整しなければならない」。これがウクライナ戦争の教訓に他ならない。この環境のなかで、同盟国やパートナーとともに、ともに核を保有する大国間戦争をいかに管理していくかが、今後問われることになる。あらゆるケースで、長期戦に勝利するために、(エネルギーや戦略資源の)国家備蓄、防衛産業基盤、そしてサイバー攻撃や経済ショックへの国家としてのレジリエンスを強化するための投資が必要になる。
ウクライナと核戦争リスク
―― 三つのシナリオ
2022年10月号 ジョン・J・ミアシャイマー シカゴ大学教授(政治学)
専門家の多くは、交渉によるウクライナ戦争の解決は当面実現しないと考え、血塗られた膠着状態が続くと予測している。この認識は正しいが、すでに長期化している戦争に破滅的なエスカレーションメカニズムが埋め込まれていることが過小評価されている。ニューヨーク・タイムズ紙が報じたように、すでにワシントンは戦争に深く関わっており、米軍の兵士が引き金を引き、パイロットがボタンを押すまで、あと一歩のところまで来ている。米軍が介入した場合、プーチンを核使用に走らせることなく、ウクライナを救えるのか。ロシアがウクライナ軍にひどく追い込まれた場合には、モスクワが核を使用する恐れはないか。エスカレーションの先にあるものは、第二次世界大戦を超える犠牲と破壊という、まさに壊滅的な事態かもしれない。
自律型戦争の夜明け
―― ドローンを制御するAI
2025年10月号 エリック・シュミット 元グーグルCEO兼会長 グレッグ・グラント 新アメリカ安全保障センター 非常勤シニアフェロー
ロシアもウクライナも、ハードウエア、ソフトウエアそして戦術をよどみなく改良し続けているために、この戦争は息を呑むようなスピードで進化している。膨大な数の監視用ドローンを飛ばすことで、ほぼすべての部隊の動きが可視化され、前線付近で動くものは、それがなんであれ、数分以内に攻撃される。ドローンが敵のドローンと戦うケースも増えている。自律型ドローンスウォーム(大編隊)の攻撃を調整できるAIの開発がいまや焦点とされている。戦争の第1段階はハードウエアの有無が戦況を左右し、双方が新しいタイプのドローン、ペイロード、弾薬に投資したが、次の段階はソフトウエアが焦点になるだろう。


