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2026.4.17 Fri
トランプ外交の本質
―― 主要国の反発と拒絶
いまや国内の政治問題が国際行動に影響を与えることも多く、アメリカも例外ではない。マドゥロを排除することに成功した作戦と同様に、テヘランのアヤトラ・ハメネイを殺害した空爆作戦も、アメリカの国内政治というレンズで捉える必要がある。(カーペンター)
合意は意図的に曖昧にされることが多く、一部の要素は公表されるが、他の要素は後日明らかにされるか、あるいは完全に隠蔽される。このやり方が続けば、トランプ外交は、アメリカの立憲主義だけでなく、世界における民主主義の存続そのものを脅かす。(クーリー、ネクソン)
ドナルド・トランプの中核目的は、ワシントンの特権的立場を利用して、同盟国と敵対国の双方から譲歩、貢ぎ物、恭順を引き出し、彼が純粋なゼロサムとみなす世界で短期的利益を模索することにある。この略奪的覇権主義は一時的には機能しても、長期的には失敗に終わる。(ウォルト)
トランプ外交の本質
―― 国内政治と対外路線
2026年5月号 マイケル・カーペンター 国際戦略研究所 上級研究員
いまや国内の政治問題が国際行動に影響を与えることも多く、アメリカも例外ではない。マドゥロを排除することに成功した作戦と同様に、テヘランのアヤトラ・ハメネイを殺害した空爆作戦も、アメリカの国内政治というレンズで捉える必要がある。実際、支持率の低迷や国内のスキャンダルが、手っ取り早い対外戦争へつながっていくことも多い。しかも、ベネズエラやグリーンランドのケースは、トランプ政権が国際法を無視していること、そうすることがアメリカにとって都合が良ければ同盟国やパートナーを犠牲にすることも厭わないことを示している。いまや米外交は、ハンガリーのような非自由主義の民主主義国のスタイルへ近づきつつある。
トランプ政権と泥棒政治
―― 政治腐敗の手段と化した外交
2026年4月号 アレクサンダー・クーリー バーナード・カレッジ 政治学教授 ダニエル・ネクソン ジョージタウン大学 外交学部 教授
トランプは米外交を、自分の富を増やし、地位を高め、家族・友人・側近の小さなサークルに利益をもたらすために利用している。外交を支えるインフラを解体して、自分の親族や知人、友人に重要な外交交渉を委ねている。そこで生まれるのは、主権国家間の拘束力のある二国間合意というより、むしろ個人間の取り決めに近い。合意は意図的に曖昧にされることが多く、一部の要素は公表されるが、他の要素は後日明らかにされるか、あるいは完全に隠蔽される。このやり方が続けば、トランプ外交は、アメリカの立憲主義だけでなく、世界における民主主義の存続そのものを脅かす。
トランプ戦略の末路
―― 主要国の反発と拒絶
2026年3月号 スティーブン・M・ウォルト ハーバード大学ケネディ・スクール 教授(国際関係)
ドナルド・トランプの中核目的は、ワシントンの特権的立場を利用して、同盟国と敵対国の双方から譲歩、貢ぎ物、恭順を引き出し、彼が純粋なゼロサムとみなす世界で短期的利益を模索することにある。この略奪的覇権主義は一時的には機能しても、長期的には失敗に終わる。対米依存を減らす努力をする国もあれば、アメリカのライバルと新たな取り決めを結ぶ国もあるだろう。そして相当数の国が、アメリカの利己的な行動へ報復する機会を待ち望むようになるだろう。結局、世界的な反発が高まり、ワシントンの主要なライバルにとって魅力的な機会がもたらされる一方、アメリカの安全、繁栄、影響力は低下していくだろう。


